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退会制度について、こんなにもスペースを割く道場も、当会くらいしかないと自負しております。けれども、退会制度についての考え方こそ、結果的に、空手の稽古を継続していただく、ある意味、一番肝になることが多いと思い記載いたしました。
ところで、空手というものの特性から考えれば、退会制度がない、つまり永久会員制度とは至極当然の規定と思います。 確かに、上達や、空手の稽古自体への意欲を平準化し習慣化するためには、長い年月がかかります。大会の上位者が長く空手の稽古を継続できる、とは限りません。
ところが、ここで、大きな矛盾が生じます。先の、初心貫徹のところで、倦怠期は自分自身が空手を継続できるか否かを試されている。つまり、そこを歯を食いしばって乗り越えてこそ、初心貫徹です、継続しましょう、と記載しています。しかし、その岐路に立ったときに、継続することよりも、在籍を継続することがやぶさかではないなら「ではまた、いつでも」、とあっさりと対応しています。
したがいまして、経営上の規定に押されるようにして退会を選択せざるを得ない状況を排除したというわけです。そして、何を隠そう私自身も、代表者が、そのような再開の道筋を残してくださったからこそ、いまがあるといえます。 一定のブランクを経たら稽古に臨む気持ちにも、新たな気づきがあります。少年部が学生を修了し、社会人になれば、趣味・スポーツを継続する環境というものは、限定されることに気づかされます。場所やメンバー、時間など予想外にいろいろなファクターが合流する必要があります。または、選手を引退した一般部の方も、同様に気づくことがあります。選手を引退して少し期間を置いた後、ご自身の実績を称賛してくださる後輩がいることが稽古を再開のきっかけになることもあるでしょう。そのようなときに、退会となってしまれば、、近いようで遠く離れた場所で思いをはせるのではなく、すぐに空手着をきて稽古を再開できる環境が必要なのではないでしょうか。 空手の稽古を継続することは難しいです。武道教育とはいえ、指導者が諭すよりも、自分自身で気づき、発見することの方が多いです。自分自身で肚に落ちたものこそ、本当の意味で身につきます。だからこそ、組織が制度の壁を取り払うことで、そのチャンスが増えるならば、それも一つの武道教育のツールであると思います。
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